新規開業コラム⑦<届出・申請のポイント>

新規開業コラムの7回目は「届出・申請のポイント」となります。さて開業場所も決まり、賃貸借契約書も結び、そしてレイアウト、医療機器、銀行融資が決まり、スタッフ雇用の準備が始まりますと、開業にあたりどの様な届出・申請が必要になるか決めていかなければなりません。

 

そこで、新規開業にとって一番大事な届出・申請は保健所へ提出する「⒈開設届」「⒉診療所用エックス線装置備付届」と関東信越厚生局に提出する「⒋保険医療機関指定申請」となります。これがないと医療機関として保険診療が出来ません。「開設届」の準備は保健所へ相談に行きましたら、丁寧に説明してくれますのでご安心ください。保健所の流れとしては「開設届」提出後、保健所の検査があります(都道府県により検査のタイミングは異なります)。その際、平面図通り床・壁・天井が出来ているか、診療できる状態になっているかなどの開設届に基づく検査およびエックス線装置備付届に基づくレントゲン室の検査もございます。また検査時にはその他に「医療安全管理指針」「医薬品業務手順書」「院内感染対策指針」「院内感染防止マニュアル」「医療機器の保守点検・安全使用に関する体制についての指針」「診療時間・診療科目・管理者の掲示」の資料を担当官がチェック致しますので、当日準備しておく必要があります。

 

そして上記以外、関東信越厚生局へ提出する施設基準の届出として主要なものは「⒌在宅時医学総合管理料(在医総管)」「⒍在宅療養支援診療所(在支診)」「⒎在宅がん医療総合診療料(在宅がん)」「⒏ニコチン依存症管理料」などがあります。さらにコロナ蔓延を受けて2022年4月から「⒐外来感染対策向上加算」などが出てきました。これは届出以外に掲示ポスター・カンファレンス参加等と基準が厳しく、スタッフとの打ち合わせをして決めていく必要があります。

 

その他都道府県・政令市等への届出・申請として、「⒑麻薬施用者免許申請」「⒒結核予防法指定医療機関申請」「⒓難病指定医療機関指定申請」、「⒔難病指定医」、「⒕特定疾患の委託契約書」「⒖被爆者一般疾病医療機関指定申請」「⒗生活保護法指定医療機関申請」「⒘身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師の異動届」「⒙自立支援医療(精神通院医療) 指定医療機関の指定」。労働局への提出として「⒚労災保険指定医療機関指定申請書」等があります。ざっとこれだけの数があります。また届出・申請ではありませんが「社保・国保」の手続き、「税務署」への開設届(税理士担当)などプラスαの書類提出もございますので、お忘れないようにして下さい。

 

以上、簡単に説明したもので19種類ございます。これに資料ごとの添付資料がありますので、かなりの量となりますので、開業(保険診療スタート)の2~3ヶ月前くらいから準備に取り掛かる事をお勧めいたします。また開業後、「5.」「6.」「7.」「8.」は毎年7月に定期報告もございますので、お忘れなく余裕をもってご準備してください。