診療所経営コラム⑥<9つの柱❷自院の現状分析➡自院の「真の診療圏」調査>

今回は9つの柱❷「自院の現状分析」の続編、『自院「真の診療圏」調査』について解説させて頂きたいと思います。これは弊社流の「マーケティング調査」となります。基本は医療機関からデータをお借りし、一般的診療圏ではなくお客様の実データを活用した実際の分析結果を作成いたします。具体的には、

1.年代別(全患者数、0~14歳、15~64歳、65歳以上)町丁目分布図
2.地域別(町丁目別)来院患者数グラフ
3.「真の診療圏」マップを提供させて頂きます。

このマーケティング分析を通じて、自院の主力診療圏を把握し、増患のための対策を検討していく事が必要です。まず、1つ1つを解説していきますと、

    
1. 年代別(上記左側のシート・全患者数、0~14歳、15~64歳、65歳以上)町丁目分布図は国勢調査における町丁目別人口メッシュの上に実際の自院患者の来院状況を重ね合わせています。自院開設地域で、人口が多い町丁目にも関わらず、実際の自院患者来院状況ではあまり患者さんが来ていない地域があることがわかります。基本は国勢調査の人口の多い所から多くの患者さんが来院されていることが理想ですが、そうなっていない地域には競合医院、電柱・野立て看板等、原因が何であるかを精査して対策を検討することが出来ます。
2. 地域別来院患者数グラフでは、年齢別(0~14歳、15~64歳、65歳以上)に患者さんがどの地域から来院され、来院数が多い順に棒グラフで表示されます。これを毎年継続していきますと、自院の年齢別、地域別来院数の年度ごとの変化を把握することが出来ます。
3.「真の診療圏(上記右側のシート)マップ」では、自院患者の80%の来院地域を網掛けで囲い、自院診療圏の傾向を掴むことが出来ます。自院診療圏の傾向として、私鉄沿線やバス路線に沿った縦長(上記左側のシート)・横長路線の傾向や、徒歩・自転車の影響の円形型傾向などがございます。今後集患するにあたり、どこのエリアに、どの様な方法で手を打ってゆくのか。また、十分に集患できているエリアでは電柱看板等の継続か中止かを検討する題材にして頂きます。

このように、弊社流の「マーケティング調査」では、既存診療所のデータをお借りし、マップの作成を通じて患者さんの来院地域を「見える化」することにより、地域事情に合わせた広告の再検討、今後の患者さんの集患地域を明確化する検討としてご提供することが出来ます。