新規開業コラム②<事業計画・診療方針>

新規開業にとって必要な2つ目は事業計画作成による「投資額」、「採算性」の判断となります。支援をされていますコンサルタント、税理士事務所により多少の違いはあるかもしれませんが、弊社のポイントは下記の通りです。

1.「経費」は高め、「医業収入」は低めに。
2.「稼働日数」は現実的な日数で計算する。
3.「患者単価」は同一科目医院の外来単価を参考とする。
4.「外来収入」の月間上昇率は何%するか。
等を確定しながら進めていきます。もし採算的に合わなければ、その場所をやめる事も1つの判断ですし、また事業計画を作成しながら「2.」を明確にしていく事も重要です。

3つ目は「診療方針」を明確にすることです。
開業検討地域でどの様な診療を行うかが重要です。例えば、「一般内科」として診療を行っていくのか、消化器科、糖尿病等「専門性」といったことが挙げられます。また繁盛している診療所にはそれぞれの特長があります。その幾つかをご紹介いたしますと、

⑴稼働日数が多い(最長月24日間⇒週6日×4週)
⑵1週間の診療時間(最長週48時間)
⑶診療時間外に来た患者も診療している

以上のような特長が見受けられます。

診療所の医業収入は<患者単価×患者数>で表します。診療所経営は院長の労働時間数により売上が決まる「労働集約型」の構造になっています。そのため開業医が多くの患者さんを診るためには、どれだけ長時間、休みなく診療所を開けているかが重要になります。この事を忘れて診療方針を考えても「絵に描いた餅」になります。月の稼働日数、1週間の診療時間をどの位にするのか。その事が「診療方針」を決める際に重要な条件となります。
総括いたしますと「開業場所の選択」のポイントとして、「外来需要予測」「事業計画による投資制・採算性」「診療方針の明確化」の3つをしっかりと準備して開業場所を決めて下さい。ここまでは開業準備の入口です。開業準備をしながら、尚且つ診療所経営の準備の事など「開業場所の選択」では、もっとお伝えすることがございますが、都合上次回にさせて頂きます。