診療所経営コラム④ <9つの柱❷自院の現状分析→マーケティング調査>

前回では経営の視点として、診療所経営も企業経営とそんなにかけ離れてはいない事、そして企業経営と同様の視点から、診療所経営にも「9つの柱」を取り入れていく必要があるという事でした。今回は9つの柱❷「自院の現状分析」の続編、「マーケティング調査」について解説させて頂きたいと思います。
「マーケティング」という言葉をネットで調べてみると、【マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である】とあります。これを診療所に置き換えると、「患者さんが真に求める医療(診療・治療)体制を作り、その内容を情報発信し、患者さんがその医療(診療・治療)体制を効果的に得られるようにする」となる。つまり「患者さんのニーズに応えたシリーズを提供する」事ではないでしょうか。
弊社では「マーケティング調査」をするために、患者データ(生年月日・住所)をCSV又はエクセルデーターで頂き、マップ上に落とし分析をしていきます。詳細は下記となります。

  • 自院データーの「真の診療圏(主要診療圏エリア)」を把握する
  • 自院の強いエリア、弱いエリアを把握する
  • 自院の患者年齢構成(小児・壮年・高齢)を把握する
  • 広告宣伝効果の確認(看板掲載エリアからの患者需要)

等の自院の患者状況を把握いたします。
具体的内容として1つ目は、「真の診療圏(主要診療圏エリア・図1)」⇒自院の全患者さんのうち上位約70%の来院エリアを地図上に編目表示する。これにより、自院の患者さんの大多数がどこから来院されているかが明確になり、どの沿線・どの道路をどの地域に沿って増えてきているのか一目瞭然である。また、自院の編目表示の形が円形的、横長的、縦長型と診療所によりそれぞれ特徴があります。
2つ目は、自院の強弱エリアを把握することにより、患者数が増えているエリアと増えないエリアが把握でき、その理由にも言及することができます。どのエリアをもっと強化すべきか判断すべき材料を提供することができます。
そして3つ目は年齢構成別です(図2)。診療所の方針により患者さんの年齢構成は極端に変わります。内科全般、ファミリークリニック、内視鏡検査専門クリニック等により特徴的な年齢構成になっています。
つまり、この「マーケティング調査」を通じて、「増患」における広告宣伝の費用対効果・開業場所として充分に「認知」されたかどうかがわかります。「費用対効果」は、駅看板などの広告宣伝エリアを2年に1回位の割合で調査・分析・見直しを行い、「認知」されているかどうかは、問診票の「来院理由」又は「当院を知ったきっかけ」の項目で新患データー調査から把握する。
一例として、患者数が確保できているエリアに看板を多数設置しているケースも見られる。患者が十二分に確保できているエリアではなく、患者数が確保できていないエリアに看板広告を移すなどで対策を行い、費用対効果を毎年検討して頂く事が重要です。是非、ご興味がございましたら一度ご相談下さい。

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