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診療所経営コラム⑨<整形外科コラムNo.2>

前回のコラムでは、整形外科を標榜する医療機関で、介護保険への対応が迫られていること、また自院が介護保険に対応した方が良いのかどうかの判断材料として、3つの分析が必要であることを紹介しました。今回はその3つの分析について解説していきます

 

①通院患者の年齢層分析と介護保険に移行する患者の洗い出し
まずは通院患者の年齢層と、疾患別リハビリの算定日数の傾向を分析して、自院が急性期中心なのか、慢性期中心なのかを把握しなくてはなりません。例えば駅前立地で学生や壮年層が多く、患者の回転が早いクリニックでは、介護保険を導入しても利用する人は少ないでしょう。また一方で、住宅街にあって地域の高齢者が足繁く通っていて、リハビリの期間が長いクリニックであれば、介護保険に対応する必然性は高まります。
ただ重要なのは、今回介護保険への移行の対象となるのは、既に介護認定を受けている患者さんだけです。150日(運動器リハビリの場合)の算定日数を超えていても介護認定者でなければ、そのまま疾患別リハビリが続けられますので、疾患別リハビリを受けている患者さんの中で、介護認定者がどれくらいいるのかも調べておきましょう。カルテにそのような情報がない場合には、初診であれば問診表に介護認定の有無を聞く項目を追加して、再診であれば診察の際やリハビリの際にスタッフから聞くようにするなどして、情報を記載しておくことが必要です。
介護保険の導入が決まれば、どの患者さんをいつ介護保険に案内して、どのくらいの期間で何人ぐらいが利用するのかをシミュレーションします。患者ごとに算定日数が150日を超える日付をチェックして、通所リハビリ・訪問リハビリの利用者数の推移を予測しておきましょう

 

②周囲の高齢者人口を調べた上での将来需要予測
現在の患者さんだけでなく、今後の見通しを立てるためにも、周囲1km以内にどのくらいの高齢者が住んでいるのかを調べておく必要があります。これは国勢調査に基づくデータによる、診療圏調査によって算出することができます。それに加えて、周囲のライバルとなる整形外科が介護保険まで対応しているか、その他、通所リハビリの事業所がどこにあるのかも調べておきましょう。高齢者の数と競合の数でおおよその利用者数を予測することができます。
現時点で通院患者に高齢者が多くても、将来利用者が増えない見込みであれば、150日超えの患者さんは周囲の介護事業所へ紹介して、自院は疾患別リハビリに集中した方が得策かもしれません。また反対に、現時点での通院患者に高齢者が少なくても、将来の利用者が見込まれるのであれば、ライバルに先駆けて介護保険を導入するべきですし、そうすることで、ここで診てもらえればずっと通える整形外科であることをアピールすることができます。

 

③自院のリハビリスタッフが介護保険に対応できるのか
院長が介護保険にやる気満々でも、リハビリスタッフが介護保険に対応できなければ、患者さんを受け入れ、満足させることはできません。通所リハビリは疾患別リハビリと違い、1対多のリハビリとなります。また慢性期のリハビリは治すことを主眼においたリハビリではなく、生活機能の維持が目的になります。PTやOTが通所リハビリや訪問リハビリのためのプログラムができるかどうか、できない場合は今後学ぶ意欲があるかどうかを問う必要があります。特に若いスタッフは患者さんが治っていくことにやりがいを見出していることが多く、患者さんとゆっくりじっくり向き合う慢性期のリハビリに、モチベーションが維持できるかはクリニックの大きな課題となります。
そのためには院長自らPTやOTと向き合って、今後の継続的なリハビリのために、慢性疾患への対応と介護保険の導入が必要であることを丁寧に説明することが必要です。その上で、介護保険のリハビリプログラムを組むために、慢性期整形外科疾患の解説のための勉強会を開催したり、外部研修会への参加費用のサポート、多くの介護保険利用者を受け入れている他のクリニックへの見学を実施したりして、院長がリハビリに重点をおいていること、PTやOTが整形外科の要であることをわかってもらうことが重要です

 

次回は介護保険(特に通所リハビリ)の導入が決まったら、やらなくてはいけないことを説明します。